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CTIシステムの料金比較20選|通話料込みの総額で選ぶ【2026年】

CTIシステム20製品の料金・機能・対応回線を一覧で比較。公式サイトで確認できた実額だけを掲載し、初期費用・月額・通話料の相場も解説します。携帯回線に対応した製品も紹介。

はじめに:この記事で扱う「CTI」について

CTIは Computer Telephony Integration(コンピュータ電話統合) の略で、電話とパソコン・顧客管理システムを連携させる仕組みを指します。

なお「CTI」には同じ綴りで意味の異なる用語がいくつかあります。サイバーセキュリティ分野の Cyber Threat Intelligence、医療分野の三尖弁峡部(Cavo-Tricuspid Isthmus)、電気材料の耐トラッキング指数(Comparative Tracking Index)などです。この記事で扱うのはすべて電話システムのCTIです。


先に結論:目的別の早見表

細かい比較の前に、目的から逆算した結論を置いておきます。

こういう会社は この観点で選ぶ 該当しやすい製品
発信が多く通話料が重い 通話料の課金単位と定額化の可否 携帯回線対応製品、秒課金対応製品
受電が中心(問い合わせ窓口) IVR・ACD・待ち呼の作り込み BIZTEL、Omnia LINK、MediaCalls
1〜5人で小さく始めたい 最低契約席数と初期費用 Sakura、MiiTel、SimpleConnect
100席以上の大規模 席単価と冗長構成 BIZTEL、Omnia LINK、Amazon Connect
通話内容を分析・教育に使いたい 文字起こし・AI解析の精度 MiiTel、UPSELL CLOUD、Comdesk Lead
既存のCRM/SFAを使い続けたい 連携方式(ネイティブかAPIか) MiiTel、Comdesk Lead、CT-e1/SaaS
携帯番号(090/080)で発信したい 対応製品が極端に少ない Comdesk Lead、MiiTel、アポ放題

最後の行だけ、事情がまったく違います。20製品を調べて、携帯回線での発信に対応していることを公式サイトで確認できたのは2製品だけでした。詳しくは後述します。


CTIシステムとは何か

CTIシステムは、電話機(またはソフトフォン)とパソコン上の顧客データベースをつなぐソフトウェアです。

これがない状態では、電話が鳴っても表示されるのは番号だけです。担当者は相手が誰かを番号から思い出すか、別の画面で検索するしかありません。かけるときも、リストを見ながら手でボタンを押します。

CTIを入れると、着信と同時に顧客情報が画面に出ます。発信はリスト上のクリック1つで完了します。通話は自動で録音され、履歴として残ります。

要するに**「電話という業務だけが情報システムから切り離されている状態」を解消するための道具**です。

混同されやすい3つの用語

用語 役割 位置づけ
PBX 電話回線の交換機。内線・外線の接続、転送、保留を制御する 電話網側の土台
CTI PBXとコンピュータをつなぐ連携層。ポップアップ、クリック発信、録音を実現 橋渡し
CRM/SFA 顧客情報・商談情報を蓄積し管理する 情報側の土台

「コールセンターシステム」は、この3つをまとめてパッケージ化したものを指すことが多い言葉です。製品によって含まれる範囲が違うため、比較するときは「CTI単体か、PBX込みか、CRM込みか」を必ず確認してください

より詳しい定義とPBXとの違いは CTIシステムとは?仕組みと機能を図解で解説 で扱っています。


CTIシステムの主な機能

上位の比較記事10本を調べたところ、ほぼ全社が同じ7つの機能を挙げていました。この7つが業界の標準装備と考えて構いません。

1. 着信ポップアップ(画面ポップアップ)

着信と同時に、発信者の顧客情報・対応履歴を画面に表示します。CTIの最も基本的な機能で、受電業務では最初の一言が変わります。「お世話になっております、株式会社◯◯の△△様」と名前で出られるかどうかの差です。

2. 通話録音

全通話を自動で録音・保存します。クレーム対応の証跡、新人教育の教材、「言った・言わない」の解決に使われます。保存期間と保存容量は製品ごとに差が大きく、追加容量が有料オプションになっている製品が多いので確認が必要です。

3. IVR(自動音声応答)

「サービスについてのお問い合わせは1を……」の自動音声案内です。営業時間外の対応、用件別の振り分け、一次切り分けに使います。

4. ACD(着信呼自動分配)

かかってきた電話を、あらかじめ決めたルールで担当者に自動で振り分けます。スキル別、順番、稼働状況などのルールが設定できます。特定の人に電話が集中するのを防ぐのが主な目的です。

5. 発信支援(クリック発信・オートコール・プレディクティブコール)

アウトバウンド業務の中核です。3段階あります。

方式 動作 向いている場面
クリック発信(プレビュー) リスト上のボタンを押すと発信。相手情報を見てからかけられる 1件ずつ丁寧にかける営業
プログレッシブコール 1件終わると自動で次へ発信 一定品質を保ちつつ件数を増やす
プレディクティブコール オペレーターの空きを予測し、複数回線に同時発信。つながった通話だけを接続 大量架電。つながらない待ち時間をほぼゼロにできる

プレディクティブコールは効率が大きく上がる反面、オペレーターが空いていないのに相手が出てしまう「放棄呼」が発生します。これは相手にとっては「無言電話」です。稼働率の設定を誤ると顧客体験を大きく損ねるため、導入後の調整が前提の機能だと考えてください。

6. モニタリング・ウィスパリング

管理者が通話をリアルタイムで聞く(モニタリング)、オペレーターにだけ聞こえる声で指示を出す(ウィスパリング)、通話に割り込む(バージイン)。新人の立ち上げ期間を短縮する機能です。

7. レポート・分析

架電数、通話時間、応答率、アポ率などを自動集計します。最近は通話内容の文字起こしとAI解析を備えた製品が増えました。


CTIシステムの種類:2つの軸で整理する

軸1:クラウド型かオンプレミス型か

クラウド型 オンプレミス型
初期費用 0〜30万円程度 数十万〜数百万円
月額 席数課金が主流 保守費用のみ(ライセンス20%前後/年)
導入期間 数日〜2週間 1〜3ヶ月
カスタマイズ 製品の範囲内 自由度が高い
在宅・多拠点 標準で対応 VPN等の追加構築が必要
向いている規模 1席〜300席程度 大規模・特殊要件

現在の主流は圧倒的にクラウド型です。オンプレミスを選ぶ理由は、セキュリティ要件で外部にデータを出せない場合か、既存の基幹システムと深く結合させる必要がある場合にほぼ限られます。

なお、InfiniTalk と MediaCalls は両方の提供形態を持っています。将来オンプレに移行する可能性があるなら、こうした両対応製品が選択肢になります。

軸2:インバウンド型かアウトバウンド型か

インバウンド型 アウトバウンド型
主な用途 問い合わせ窓口、カスタマーサポート、受注 テレアポ、督促、アンケート、既存顧客フォロー
重視される機能 IVR、ACD、待ち呼管理、応答率 発信効率、リスト管理、架電履歴、アポ率
代表製品 BIZTEL、Omnia LINK、MediaCalls、OSORA lisnavi、Dream Call Next、UPSELL CLOUD、Comdesk Lead

ここを間違えると導入が失敗します。 インバウンド向けの製品にアウトバウンド機能をオプションで足すと、機能が中途半端なのに費用は高くつく、ということが起こります。BIZTELの場合、アウトバウンド機能は月額10万〜20万円のオプションです。


CTIシステムの費用相場【この記事の核心】

冒頭で触れたとおり、費用は最も知りたがられているのに、最も情報が出てこない部分です。ここでは構造から整理します。

料金は4階建てになっている

多くの比較記事が「月額5,000円〜」とだけ書きますが、実際に請求される金額はこの4つの合計です。

① 初期費用      0円 〜 82万円(1回のみ)
② 月額基本料金   0円 〜 15万円(システム全体に対して)
③ 席数課金      1,500円 〜 15,000円 × 席数(毎月)
④ 通話料        従量課金(別途・ほとんどの製品で単価非公開)

見落とされやすいのは③と④です。「月額5,000円〜」という表記が、基本料込みなのか1席あたりなのかで、10席導入時の金額は倍以上変わります。

実際の相場(2026年9月時点の公開情報から)

費用項目 クラウド型の実際の幅 備考
初期費用 0円 〜 82万円 MiiTel・InfiniTalk(クラウド)・lisnavi が0円。BIZTELは5万円/席、Omnia LINKは82万円〜
月額基本料 0円 〜 15万円 席数課金のみの製品も多い。MediaCallsは5.5万円、Omnia LINKは15万円+VPC 9万円
1席あたり月額 1,500円 〜 15,000円 中央値はおおむね5,000〜6,000円
通話料 別途従量が原則 単価を公開しているのは20製品中3製品のみ

通話料の単価を公開している製品

調査した20製品のうち、通話料の単価を公式サイトで明示していたのは以下の3製品だけでした。

製品 固定電話宛 携帯電話宛 その他
BIZTEL 8円/3分 18円/1分 SMS 12円/通
MiiTel 据え置き(金額非公開) 据え置き(金額非公開) IP電話(050)宛 8.49円/3分
Amazon Connect $0.038/分(サービス利用料) 同左 +別途キャリア通話料

携帯電話宛が1分課金で18円という数字を基準に考えると、コストの重さが見えてきます。1人が1日3時間通話し、その7割が携帯宛だとすると、1人あたり月の通話料は約5万円。席数単価より通話料のほうが高い、という状況は珍しくありません。

つまり、発信量の多い会社にとって本当に効く比較軸は席単価ではなく通話料です。 ここが次の章につながります。

課金単位の違いも効く

同じ通話料でも、課金の刻みで総額が変わります。

課金単位 30秒の通話1,000件の場合
3分課金 3分×1,000件ぶんの料金(2分30秒は捨てている)
1分課金 1分×1,000件ぶん
秒課金 30秒×1,000件ぶん

テレアポのように短時間で切れる通話が大量にある業務では、秒課金かどうかで請求額が数倍変わります。InfiniTalk、Sakura、GoodCall、UPSELL CLOUD(10秒・1分・3分から選択)などが課金単位の選択に対応しています。


CTIシステム20製品 比較一覧【2026年9月時点】

この表に載せた金額は、すべて公式サイトで確認できたものだけです。 公式に記載がないものは「非公開」と書いています。他サイトの記事から引用した数字には△を付けました。

製品名 提供会社 初期費用 月額 通話料 形態 向き
Comdesk Lead 株式会社Widsley 非公開 6,000円〜/ID(携帯回線プラン)
4,980円〜/ID(IP回線プラン)
13,980円〜/ID(両回線)
別途・単価非公開 クラウド アウト主体
MiiTel Phone 株式会社RevComm 0円 4,980〜7,980円/ID
(契約期間と通話時間枠で変動)
別途・IP電話宛8.49円/3分 クラウド 双方向
BIZTEL 株式会社リンク 50,000円/席 15,000円/席 固定8円/3分
携帯18円/1分
クラウド イン主体
CT-e1/SaaS 株式会社コムデザイン 300,000円〜 5,000円/ライセンス(均一) 別途・単価非公開 クラウド 双方向
Omnia LINK ビーウィズ株式会社 820,000円〜 基本150,000円+VPC 90,000円
+9,000円/席
非公開 クラウド イン主体
MediaCalls メディアリンク株式会社 非公開(クラウド型) 基本55,000円
+シート1,500円+エージェント2,000円
別途・単価非公開 3形態 イン主体
InfiniTalk 株式会社インパクトミライ クラウド0円
オンプレ298,000円〜
10,000円〜(20席まで同額)
〜29,800円〜
別途・秒課金プランあり 両方 双方向
UPSELL CLOUD アップセルテクノロジィーズ 非公開 5,800円/ID 別途・10秒/1分/3分から選択 クラウド 双方向
Sakura 株式会社アースリンク 非公開 2,500円〜/カウント 別途・秒課金オプションあり クラウド 双方向
SimpleConnect Cloopen株式会社 1,980円 △ 1,980円/ID △ 不明 クラウド 双方向
lisnavi(旧List Navigator.) 株式会社Scene Live 0円 △ テナント10,000円
+ブース5,000円〜 △
別途・単価非公開 クラウド アウト専用
OSORA 株式会社Scene Live 0円 △ 3,000円〜 不明 クラウド イン専用
Dream Call Next 株式会社ドリームソリューション 要問い合わせ 要問い合わせ 別途・秒課金変更可 △ クラウド アウト専用
アポ放題 モズエンタープライズ株式会社 10,000円 △ 7,800円+2,000円/5アカウント △ キャリアのかけ放題を利用 クラウド アウト専用
GoodCall 株式会社グッドリレーションズ 10,000円 基本5,000円+4,000円/アカウント 別途・課金時間選択可 クラウド アウト主体
MOT/TEL 株式会社バルテック 29,800〜59,800円 3,980〜9,800円+台数課金 回線の通話料に準じる クラウド 双方向
Zoom Phone ZVC JAPAN株式会社 記載なし プランによる(要見積) 無制限プランは国内通話込み クラウド 双方向
Zendesk Talk 株式会社Zendesk 0円 Suite Team $55〜/エージェント 別途・単価非公開 クラウド イン主体
Amazon Connect AWS 0円 固定費なし(完全従量) $0.038/分+キャリア料金 クラウド 双方向
OSHIRASE 株式会社Scene Live 不明 不明 不明 クラウド アウト

△=比較メディア等の二次情報。公式サイトで確認できなかったもの。

免責:上記はすべて2026年9月時点の公開情報です。価格は改定されます。また、多くの製品は個別見積であり、席数や契約期間によって実際の金額は変わります。検討時は必ず各社から直接見積を取得してください。


【重要】携帯回線(090/080)に対応しているCTIは極めて少ない

20製品を調べて分かった最も大きな事実がこれです。

対応状況の内訳

公式サイトで明確に対応を確認できた:2製品

製品 対応内容
Comdesk Lead IP回線と携帯回線の併用を最大の売りとして明記。090/080/070で発信可能
MiiTel 「3大キャリアの090・080・070から始まる携帯電話番号での発着信に対応」と公式に明記

二次情報で対応を確認:1製品

製品 対応内容
アポ放題 スマートフォンの携帯回線で架電する仕組み

別サービス/FMC方式で対応:1製品

製品 対応内容
BIZTELモバイル(BIZTEL本体とは別サービス) キャリアFMCタイプでdocomo/au/SoftBankの法人契約回線に対応

残りの16製品は、非対応または公式・二次情報とも記載なしでした。

なぜ携帯回線対応が重要なのか

理由は2つあります。

1つ目は通話料です。 IP回線や固定回線からの発信は従量課金が原則で、前述のとおり携帯電話宛は1分18円といった単価がかかります。一方、携帯回線からの発信であればキャリアのかけ放題プランを適用できるため、架電量が増えても通話料が一定に保てます。

2つ目は応答率です。 固定番号や050番号からの着信は、スマートフォン側の迷惑電話フィルタやキャリアの対策機能で警告表示されたり、自動でブロックされたりすることが増えています。iPhoneの通話スクリーニング機能もこの流れの一つです。携帯番号からの発信であれば、こうしたフィルタに引っかかりにくくなります。

応答率の問題については 携帯回線が使えるCTIの比較 で詳しく扱っています。

ただし注意点もあります。キャリアのかけ放題プランには、約款上「通常の利用の範囲を超える場合」の利用制限条項があるのが一般的です。業務での大量発信を行う場合、事前にキャリアまたはサービス提供元に利用可否を確認してください。この点を曖昧にしたまま導入すると、後から回線を止められるリスクがあります。


CTIシステムの選び方:6つのチェックポイント

上位の比較記事が共通して挙げている観点に、実務上重要な点を足して整理しました。

1. 通話品質が安定しているか

クラウド型はインターネット回線を経由するため、自社のネットワーク環境の影響を受けます。トライアルは必ず、本番で使う回線・本番の時間帯に行ってください。 昼休み明けや夕方の混雑時に音が途切れるかどうかは、空いている時間に試しても分かりません。

2. 既存システムと連携できるか

ここは「連携できる/できない」ではなく、連携の深さを確認してください。

連携方式 できること 注意点
ネイティブ連携 設定だけで即利用可 対象システムが限られる
API連携 柔軟に設計できる 開発工数が必要。費用が別途かかる場合も
CSV連携 安価 リアルタイム反映ができない

BIZTELのようにCRM連携が月額2万〜3万円の有料オプションになっている製品もあります。見積時に連携費用を含めた総額で比較してください。

3. 料金の内訳が示されるか

前述の4階建て構造のうち、どこまでが見積に含まれているかを明示的に確認してください。特に通話料と回線費用(番号発行費)は別請求になりがちです。

4. サポート体制

コールセンターは電話が止まると業務が完全に停止します。障害時の連絡先、対応時間、復旧目標を契約前に確認してください。土日祝に稼働する業務なら、サポートも土日対応が必要です。

5. セキュリティ

通話録音データには個人情報が含まれます。保存場所、暗号化、アクセス権限、退職者のデータ削除手順を確認してください。ISMS認証やPマークの取得状況も判断材料になります。

6. 現場が使えるUIか

これは軽視されがちですが、導入失敗の最大の原因です。管理者が機能一覧を見て決めた製品を、現場のオペレーターが使いこなせない、という事態は頻繁に起きます。トライアルには必ず実際に使う担当者を参加させてください。


導入のメリット

架電数・応答率が上がる

手作業の番号入力、顧客情報の検索、履歴の手入力がなくなります。1件あたり数十秒の削減でも、1日100件なら1時間近い差になります。

対応品質が均一になる

ポップアップで顧客情報が出る、トークスクリプトが画面に表示される、通話が録音されている。この3つが揃うと、担当者による対応のばらつきが目に見えて減ります。

属人化が解消される

「あの顧客のことは◯◯さんしか知らない」という状態は、退職時に大きな損失になります。通話履歴と録音がシステムに残っていれば、引き継ぎが成立します。

通信費を削減できる

課金単位の最適化、かけ放題の活用、不要な回線の整理。ここは製品選定次第で年間数百万円単位の差が出ます。

教育コストが下がる

新人の通話を録音で振り返る、優秀な担当者の通話を教材にする、リアルタイムでウィスパリングする。立ち上げ期間の短縮に直結します。


デメリットと注意点

メリットだけを並べる記事が多いので、正直に書きます。

費用は継続的にかかる

クラウド型は月額課金です。10席で1席6,000円なら年72万円。これに通話料が乗ります。削減できる通信費と人件費がこれを上回るかどうかを、導入前に試算してください。

導入直後は現場の負担が増える

新しい操作を覚える期間、既存リストの移行作業、運用ルールの整備。最初の1〜2ヶ月は生産性が一時的に下がるのが普通です。これを見込まずに導入すると「使えないシステムを入れた」という評価になります。

プレディクティブコールは諸刃の剣

放棄呼の問題は前述のとおりです。相手からすれば無言電話で、企業イメージを損ないます。稼働率の設定と、放棄呼率のモニタリングが前提です。

小規模だと費用対効果が出ないことがある

1〜2人で1日20件程度の架電なら、CTIを入れるより手作業のほうが安上がりな場合もあります。目安として、1人あたり1日30件以上の発信、または月100件以上の受電があれば検討する価値があります。

解約時のデータ持ち出しを確認する

通話録音、顧客データ、履歴をどの形式でエクスポートできるか。契約前に確認しておかないと、乗り換え時に資産を失います。


導入までの流れ

段階 やること 目安期間
1. 要件整理 イン/アウトの別、席数、必要機能、連携先、予算を決める 1〜2週間
2. 情報収集 3〜5製品に絞って資料請求 1週間
3. 見積取得 通話料・回線費・連携費を含めた総額で依頼 1〜2週間
4. トライアル 本番環境・本番時間帯・実際の担当者で試す 1〜2週間
5. 契約・構築 番号手配、リスト移行、設定 1〜4週間
6. 運用開始 最初は機能を絞って開始。2週間後に振り返り

クラウド型なら要件整理から運用開始まで1〜2ヶ月が標準的です。番号の新規取得やポータビリティが絡むと、さらに2〜4週間かかります。


よくある質問

Q. CTIシステムとは何ですか?

A. 電話とコンピュータ(顧客管理システム)を連携させる仕組みです。着信時に顧客情報を自動表示したり、リスト上のクリックで発信したり、通話を自動録音したりできます。Computer Telephony Integration の略です。

Q. CTIシステムの導入費用はいくらですか?

A. クラウド型の場合、初期費用0円〜30万円、月額は1席あたり1,500円〜15,000円が公開情報での幅です。中央値はおおむね5,000〜6,000円/席。これに通話料が別途かかります。オンプレミス型は初期費用が数十万〜数百万円になります。

Q. CTIシステムの費用相場はいくらですか?

A. 10席規模のクラウド型で、初期費用0〜50万円、月額6万〜15万円(席数課金)が目安です。ただし通話料が別途かかり、発信量の多い業務では通話料のほうが席数課金を上回ることがあります。総額で比較してください。

Q. CTIとCRMの違いは何ですか?

A. CTIは電話とコンピュータをつなぐ「連携の仕組み」、CRMは顧客情報を蓄積・管理する「データベース」です。役割が違うため、多くの場合は両方を連携させて使います。CTI製品の中にはCRM機能を内蔵しているものもあります。

Q. PBXとCTIの違いは何ですか?

A. PBXは電話回線を制御する交換機で、内線・外線の接続や転送を担当します。CTIはそのPBXとパソコン側のシステムをつなぐ層です。PBXが電話網側の土台、CTIが橋渡しという関係になります。

Q. CTIシステムはスマホでも使えますか?

A. 使えますが、製品によって「スマホアプリでソフトフォンを動かす(回線はIP)」と「携帯回線そのもので発着信する(090/080番号)」では中身がまったく違います。携帯回線での発着信に対応した製品は非常に限られます。

Q. CTIシステムを自作することはできますか?

A. 技術的には可能です。Asterisk などのオープンソースPBXと組み合わせて構築する方法があります。ただし構築・保守の工数と、障害時に自力で対応する必要があることを考慮してください。詳しくは かけMAXの機能ページ で解説しています。

Q. 無料で使えるCTIシステムはありますか?

A. 無料プランを持つ製品は限られており、機能も最小限です。多くの製品が無料トライアル(1〜2週間)を用意しているので、まずはそれを活用するのが現実的です。

Q. 何席から導入する意味がありますか?

A. 1席から契約できる製品も増えています。席数より架電量・受電量で判断してください。目安は1人あたり1日30件以上の発信、または月100件以上の受電です。


まとめ

  • CTIシステムの料金は初期費用・月額基本料・席数課金・通話料の4階建て。「月額◯円〜」の表記だけで比較しない
  • 発信量が多い会社にとって、席単価より通話料と課金単位のほうが総額への影響が大きい
  • 通話料の単価を公開している製品は20製品中3製品のみ。見積では必ず通話料込みの総額を確認する
  • 携帯回線(090/080)に対応したCTIは極めて少ない。公式に確認できたのは2製品のみ
  • インバウンド向けとアウトバウンド向けは中身が別物。用途を先に固めてから製品を絞る
  • トライアルは本番環境・本番時間帯・実際の担当者で行う