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CTIの費用を下げる5つの方法|乗り換え判断の手順

CTIの月額が高いと感じたら、まず請求書を4つに分解してください。課金単位・席数・オプション・契約・回線のどこにコストが乗っているかを特定し、見直しか乗り換えかを判断する手順を解説します。

結論:CTIの費用は5箇所からしか下がらない

CTIの月額が高いと感じたとき、多くの担当者はまず「もっと安い製品はないか」と探し始めます。しかしこれは順番が逆です。

まず、いま何にいくら払っているかを分解してください。 分解すると、コストが乗っている場所は5つしかないことが分かります。

見直す場所 下がる幅の目安
1 通話料の課金単位 最大で1/6程度
2 席数ライセンスの棚卸し 使っていない席の分だけ
3 オプションの整理 月数千〜数万円
4 契約形態の変更 年契約で10〜20%程度
5 回線そのものを変える 通話料が定額になる

1〜4は今の契約のまま実行できます。5だけは乗り換えが必要です。そして多くの場合、金額が最も大きく動くのは5です。

順に見ていきます。


準備:請求書を4つに分解する

何より先にこれをやってください。ここを飛ばすと、削るべきでない部分を削ることになります。

直近3ヶ月の請求書を用意して、金額を4つの箱に振り分けます。

① 初期費用      (すでに払い終わっているなら今月の判断には無関係)
② 月額基本料金   システム全体にかかる固定費
③ 席数課金      1席あたり単価 × 席数
④ 通話料・回線費 従量課金+番号発行費

振り分けたら、③と④の比率を見てください。ここが判断の分岐点になります。

④が③より小さい コストの主因はシステム料金。1〜4の見直しで対応できる
④が③を上回っている コストの主因は通話料。5(回線の変更)以外は効果が薄い

発信が多い会社では、後者になっているケースがほとんどです。

なぜ④が大きくなるのか

通話料の単価は、公開している事業者の例で見るとこうなっています。

宛先 単価の例
固定電話宛 8円/3分
携帯電話宛 18円/1分
IP電話(050)宛 8.49円/3分

携帯宛が1分18円という前提で計算すると、こうなります。

条件 月間通話時間 携帯宛の通話料(概算)
1人・1日2時間・20営業日 40時間 約43,200円
5人・1日2時間・20営業日 200時間 約216,000円
10人・1日3時間・20営業日 600時間 約648,000円

10人規模で席単価が6,000円なら、システム料金は月60,000円。通話料はその10倍以上です。

この状態で「月額5,000円の安いCTIに乗り換える」ことを検討しても、削減できるのは全体の数%にしかなりません。


方法1:通話料の課金単位を変える

今の契約のままでも効く可能性がある、最初の手です。

同じ単価でも、課金の刻みで請求額が変わります。

課金単位 30秒の通話1,000件 3分課金との差
3分課金 3,000分ぶん課金
1分課金 1,000分ぶん課金 1/3
秒課金 500分ぶん課金 1/6

テレアポのように「出たけどすぐ切られる」通話が大量にある業務では、ここが劇的に効きます。 10秒で終わった通話が3分ぶん課金されているなら、96%が無駄です。

確認すること

  • 今の契約の課金単位は何秒/何分か
  • 秒課金プランや短い課金単位への変更は可能か
  • 変更に伴う月額基本料の上昇はあるか

課金単位の選択に対応している製品は複数あります。まず現契約の提供元に「秒課金に変更できますか」と聞いてください。 これだけで解決することがあります。

効果の試算方法

通話明細から「通話時間の分布」を出してください。30秒以下の通話が全体の何%かが分かれば、削減見込みが計算できます。

明細が出せない場合は、提供元に「通話時間別の件数を出してほしい」と依頼してください。出せないと言われたら、それ自体が乗り換えを検討する理由になります。


方法2:席数ライセンスを棚卸しする

地味ですが確実に効きます。

CTIの席数課金は、実際に使っているかどうかに関係なく、契約している席数ぶん請求されます

よくある無駄

  • 退職者のアカウントが残っている
  • 繁忙期に増やした席をそのままにしている
  • 「念のため」で多めに契約している
  • 管理者アカウントが人数分ある(管理者は1〜2人で足りることが多い)
  • 一度も使われていないアカウントがある

やること

  1. 管理画面で直近3ヶ月のアカウント別ログイン履歴を出す
  2. 30日以上ログインがないアカウントを洗い出す
  3. 席数を減らせるか提供元に確認する

注意点があります。 席数を減らすと単価が上がる契約(ボリュームディスカウント)になっている場合、席数を減らしても総額が変わらない、あるいは増えることがあります。減らす前に、減らした後の総額を見積もってもらってください。

また、席数の増減が月単位でできるか、契約期間中は固定かも確認してください。繁忙期のある業務なら、変動できる契約のほうが年間では安くなります


方法3:オプションを整理する

CTIの月額には、意外と多くのオプションが乗っています。

オプション 相場 見直しの視点
通話録音の追加容量 容量に応じて課金 保存期間は本当にその長さが必要か。法令・社内規程を確認
CRM連携 月2万〜3万円 実際に連携機能を使っているか。使っていない部署はないか
API連携 月2万〜8万円 構築したが使われていない連携が残っていないか
IVR 月1,000〜3,000円 受電がないチームにも付いていないか
SMS送信 通数課金(12円/通程度) 実際の送信数と契約枠が合っているか
レポート機能 月1万円程度 標準レポートで足りていないか

特に録音の保存期間は要確認です。 「なんとなく3年」で契約しているケースが多いのですが、業種によっては1年で十分な場合があります。容量課金なら、ここは直接金額に効きます。

ただし、クレーム対応や契約の証跡として必要な期間は削らないでください。 法令や業界の規定、自社の規程を確認したうえで判断してください。金額だけで決める部分ではありません。


方法4:契約形態を変える

同じ製品でも、契約の仕方で単価が変わります。

変更 効果の目安 注意点
月次契約→年次契約 10〜20%程度の割引 途中解約時の違約金が発生する
通話時間枠の変更 実績に合った枠に 超過時の単価を確認
席数の階段を上げる ボリュームディスカウント 使わない席が増えては本末転倒

年次契約への変更は、乗り換えの可能性がない場合にだけ有効です。1年縛りに入ると、その間により良い選択肢が出ても動けません。

この記事を読んでいる時点で費用に不満があるなら、安易に長期契約へ切り替えないでください。 まず5を検討してからです。


方法5:回線そのものを変える【最も効く】

ここまでの1〜4は、いずれも「今の仕組みの中で無駄を削る」手です。削れる幅には限界があります。

通話料そのものを構造的になくす方法は、1つしかありません。携帯回線のかけ放題を使うことです。

なぜこれだけが効くのか

IP回線・固定回線は、従量課金が前提の仕組みです。かけた分だけ請求されます。課金単位を短くしても、無駄な架電を減らしても、「かけた分だけ払う」という構造は変わりません。

一方、携帯キャリアのかけ放題プランは定額です。何件かけても、何時間話しても、通話料は変わりません。

つまり、変動費だった通話料が固定費に変わります。月末に請求書を見るまで通信費が読めない、という状態から抜けられます。

ただし、対応製品が極端に少ない

主要なCTI・テレアポシステム20製品を調査したところ(2026年9月時点)、携帯回線(090/080)での発信に公式サイトで対応を明記していたのは2製品だけでした。

製品 対応内容
Comdesk Lead IP回線と携帯回線の併用を公式に明記
MiiTel 3大キャリアの090・080・070からの発着信に対応と公式に明記

このほかアポ放題がスマートフォンの携帯回線を使う仕組みであることを比較メディアが伝えており、BIZTELモバイルが別サービスとしてキャリアFMC方式に対応しています。

残りの製品は非対応か、公式・二次情報とも記載がありませんでした。

詳しくは 携帯回線が使えるCTI比較|対応製品は実質4つだけ にまとめています。

導入前に必ず確認すべきこと

携帯キャリアのかけ放題プランには、約款上「通常の利用の範囲を超える場合」に利用を制限できる旨の条項があるのが一般的です。

業務での大量発信がこれに該当するかは、契約するプランと発信量によります。必ず事前に、キャリアまたはサービス提供元に業務利用の可否を確認してください。 ここを曖昧にしたまま切り替えると、後から回線を止められて業務が完全に停止するリスクがあります。

サービス提供元に「かけ放題を前提とした運用実績があるか」「制限がかかった事例はあるか」を直接聞くのが確実です。

通話料以外の副次効果

回線を変えると、通話料以外にも変化があります。

応答率が上がる可能性があります。 固定番号や050番号からの着信は、スマートフォンOSの通話スクリーニング機能、キャリアの迷惑電話対策、迷惑電話フィルタアプリによって、警告表示されたり自動でブロックされたりすることが増えています。携帯番号からの発信であれば、こうしたフィルタに引っかかりにくくなります。

一方で失うものもあります。 携帯番号で発信すると、相手への表示は携帯番号になります。代表番号での発信が必要な業務や、フリーダイヤルでの受電が中心の業務には向きません。IP回線と併用できる製品なら使い分けられます。


乗り換えを判断する基準

1〜4で足りず、5を検討する段階になったら、次を確認してください。

乗り換えの「出口」を先に確認する

これを確認せずに動くと、想定外の費用が出ます。

確認項目 なぜ重要か
最低契約期間 6ヶ月〜1年の縛りがある製品がある
違約金・残債 中途解約時の請求額。初期費用の分割払いが残っていることもある
解約の通知期限 「1ヶ月前まで」「3ヶ月前まで」など。過ぎると自動更新される
データのエクスポート 通話録音・顧客データ・履歴をどの形式で取り出せるか
電話番号の扱い 番号ポータビリティが可能か。番号が変わると顧客に告知が必要

特に電話番号は要注意です。 受電のある業務で番号が変わると、名刺・ウェブサイト・取引先への告知がすべて発生します。この作業コストは、システムの月額差を簡単に上回ります。

乗り換えの総コストを計算する

乗り換えコスト = 違約金
               + 新システムの初期費用
               + データ移行の工数
               + 番号変更に伴う告知コスト
               + 立ち上げ期間の生産性低下(1〜2ヶ月分)

これを月あたりの削減額で割ると、回収期間が出ます。

回収期間が12ヶ月を超えるなら、急ぐ必要はありません。 現契約の更新時期に合わせて動くほうが合理的です。逆に、通話料の削減幅が大きく回収期間が3ヶ月程度なら、違約金を払ってでも早く動く価値があります。

乗り換えるべきタイミング

タイミング 理由
契約更新の2〜3ヶ月前 通知期限に間に合い、違約金も発生しない。最も合理的
席数を大きく増やす前 増席してから乗り換えると、移行の手間が人数分増える
通話料が席数課金を上回ったとき 構造的な問題が顕在化したサイン

逆に、繁忙期の直前は避けてください。 立ち上げ期間の生産性低下が、最も痛い時期に重なります。


見直しの実行手順

上から順にやってください。

やること 期間
1 直近3ヶ月の請求書を4つに分解する 1日
2 通話明細から通話時間の分布を出す 2〜3日
3 アカウント別ログイン履歴を出し、不要席を特定する 1日
4 オプション一覧を出し、使っていないものを洗い出す 1日
5 現契約の提供元に、課金単位の変更と減席の見積を依頼する 1〜2週間
6 5の回答で十分なら、そこで終了
7 不十分なら、契約条件(最低期間・違約金・通知期限)を確認する 数日
8 他製品の見積を、通話料込みの総額で取得する 2週間
9 乗り換えコストと回収期間を計算して判断する 数日

5で終わる可能性が十分にあります。 まず現在の提供元に相談してください。乗り換えの手間とリスクを考えれば、それが最も安く済む解決策であることは珍しくありません。


よくある質問

Q. CTIの費用はどのくらいが相場ですか?

A. クラウド型で初期費用0円〜30万円、月額は1席あたり1,500円〜15,000円が公開情報での幅です。中央値はおおむね5,000〜6,000円/席。ただしこれに通話料が別途かかり、発信量が多い業務では通話料のほうが高くなります。

Q. CTIの月額が高いのですが、まず何をすべきですか?

A. 請求書を「初期費用・月額基本料・席数課金・通話料」の4つに分解してください。通話料が席数課金を上回っているかどうかで、打つべき手がまったく変わります。

Q. 安いCTIに乗り換えれば費用は下がりますか?

A. システム料金が主因なら下がります。ただし通話料が主因の場合、席単価の安い製品に変えても総額はほとんど変わりません。どちらが主因かを先に特定してください。

Q. 通話料を下げる方法はありますか?

A. 3つあります。①課金単位を短くする(最大で1/6程度)、②リストの精度を上げて無駄な架電を減らす、③携帯回線のかけ放題を使って定額化する。効果が最も大きいのは③ですが、対応製品が限られます。

Q. 契約途中で解約すると違約金はかかりますか?

A. 製品と契約内容によります。最低契約期間が6ヶ月〜1年に設定されている製品があり、期間内の解約で残期間分の請求が発生することがあります。契約書の解約条項を先に確認してください。

Q. 乗り換えると電話番号は変わりますか?

A. 番号ポータビリティに対応していれば維持できる場合があります。ただし番号の種別(0AB-J、0120、050)と提供元の対応可否によります。受電のある業務では、ここが最大の判断材料になります。

Q. 席数を減らせば安くなりますか?

A. 基本的には安くなりますが、ボリュームディスカウントの契約では席数を減らすと単価が上がり、総額が変わらないことがあります。減らした後の総額で見積を取ってください。

Q. 乗り換えの判断基準はありますか?

A. 乗り換えコスト(違約金+初期費用+移行工数+番号変更の告知+立ち上げ期間の生産性低下)を月あたりの削減額で割り、回収期間を出してください。12ヶ月を超えるなら更新時期を待つのが合理的です。

Q. コールセンターのコスト削減はどこから手を付けるべきですか?

A. 通信費と人件費のどちらが大きいかで変わります。通信費が主因なら本記事の5つの方法、人件費が主因なら架電効率の改善(クリック発信、リスト精度、再架電管理)が先になります。


まとめ

  • CTIの費用は5箇所からしか下がらない。課金単位、席数、オプション、契約形態、回線
  • 何より先に、請求書を4つに分解する。通話料が席数課金を上回っているかが分岐点
  • 1〜4は今の契約のまま実行できる。まず現在の提供元に相談すれば、それで終わることも多い
  • 通話料を構造的になくす方法は、携帯回線のかけ放題しかない。ただし対応製品は極端に少ない
  • 乗り換えは出口(違約金・通知期限・番号・データ)を先に確認してから動く
  • 回収期間が12ヶ月を超えるなら、契約更新のタイミングを待つ