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法人携帯の格安かけ放題を比較【2026年】約款の除外条項まで

法人携帯の完全かけ放題を、月額の安い順に比較しました。あわせて各社の約款にある「機械的な発信」「著しく異なる利用態様」の除外条項を原文で引用し、架電業務で使う場合に何を事前確認すべきかまでまとめています。

法人携帯のかけ放題は、月額だけを並べると「格安SIMが圧倒的に安い」という結論になります。実際、完全かけ放題込みで月1,760円という構成が存在します。

ただし、どの事業者の約款にも「機械的な発信」「著しく異なる利用態様」を定額の対象外とする条項があります。 これは大手キャリアも格安SIMも例外がありません。架電業務で使うことを想定しているなら、月額より先にここを読む必要があります。

この記事では、料金の比較と、各社の除外条項の原文の両方をまとめています。料金は2026年9月時点の各社公式サイトの記載です。


結論:完全かけ放題込みの最安は月1,760円

時間制限のない「完全かけ放題」を、データ通信込みの月額が安い順に並べます。すべて税込です。

事業者 構成 月額(税込)
HISモバイル 100MBプラン 280円 + 完全かけ放題 1,480円 1,760円
日本通信SIM 合理的シンプル290 290円 + かけ放題 1,600円 1,890円
楽天モバイル(法人) 3GB 2,178円(Rakuten Link Officeからの発信で通話0円) 2,178円
ソフトバンク(法人) 基本料 1,078円 + 定額オプション+ 1,980円 3,058円+データ定額
mineo(mineo BiZ) 500MB 1,441円 + 通話定額(無制限) 1,870円 3,311円
楽天モバイル(法人) データ無制限 3,278円(同上) 3,278円
ドコモ(法人向け) かけ放題込みの小容量プラン 3,553円(データ2GB込)

大手キャリアと格安SIMの差は、月額でおよそ1,300〜1,800円です。 10台で月13,000〜18,000円、年間で15万〜21万円の差になります。

注意点が3つあります

1. 楽天モバイルのかけ放題は「Rakuten Link Office」アプリからの発信が条件です。

標準の電話アプリから発信した場合は22円/30秒の従量課金になります。スマートフォンを手で操作して発信する分には問題ありませんが、PCのシステムから発信する構成では、アプリを経由できるかどうかを先に確認してください。 ここを確認せずに契約すると、定額のつもりが全件従量課金になります。

2. ソフトバンク・ドコモは端末代と各種割引で総額が動きます。

表の金額は素の料金です。法人契約では回線数に応じた割引が適用されることが多いため、実際の見積は営業担当に出してもらってください。逆に格安SIM側は割引の余地がほとんどないため、表の金額がほぼそのまま実額になります。

3. 法人契約と個人契約で、使えるオプションが違います。

これが最も見落とされます。個人向けサイトに載っているかけ放題が、法人契約では申し込めないケースがあります。次の項で具体的に挙げます。


「かけ放題がある」と書いてあっても、法人では使えないことがあります

比較サイトの表では「かけ放題◯」となっていても、法人契約では条件が違う事業者があります。2026年9月時点で確認できたものを挙げます。

事業者 法人契約での実態
イオンモバイル 時間無制限の定額かけ放題は個人契約専用。法人向けの050かけ放題は2024年7月1日で新規受付を停止しており、公式に「現時点で再開の見込みはたっておりません」と案内されています
BIGLOBEモバイル 通話定額は最長10分まで。時間無制限の完全かけ放題はありません
LIBMO 法人向けは「10分かけ放題 for BIZ」1,100円のみ。完全かけ放題はありません
OCN モバイル ONE for Business 音声通話定額オプションの記載がありません
au(ビジネス通話定額) 社員間の通話が対象です。社外への発信は90分を超えると課金されます
楽天モバイル(ワンストップかけ放題) 最大500分。無制限ではありません

イオンモバイルの050かけ放題が停止した理由として、公式に「不適正な利用」が挙げられています。 大量発信での利用が原因でサービス自体がなくなった実例があるということです。これは次の章に直結します。


本題:どの約款にも「機械的な発信」の除外条項があります

ここがこの記事の中心です。調べた範囲では例外がありませんでした。 大手キャリアも、格安SIMも、すべての事業者がかけ放題の対象外となる利用を約款で定めています。

原文を引用します(2026年9月時点、各社の約款・利用規約より)。

NTTドコモ

一方的な発信又は機械的な発信等により一定時間内に長時間又は多数の通信等を一定期間継続するもの

該当した場合、通話の切断が規定されています。

ソフトバンク/ワイモバイル

契約者以外の者の用に供され、それが業として行われるもの

通常の利用を著しく超える利用

ワイモバイルでは、該当した場合に**「当サービスは解除」**と明記されています。オプションの停止ではなく契約の解除です。

au(KDDI)

ソフトウエアなどによる自動発信を行った場合

楽天モバイル

利用規約の**第6条(禁止事項)**に、

ソフトウェアなどによる自動発信を行うこと

が挙げられています。禁止事項に置かれている点が他社と異なります。

日本通信SIM/HISモバイル

一般的な利用と著しく異なる利用態様

該当した場合、定額の対象外として22円/30秒の従量課金になると規定されています。契約解除ではなく課金に切り替わる形です。

IIJ

機械的な発信により、長時間又は多数の通信を一定期間継続

mineo

不正な長時間通話と判断した際、通話を切断

読み取れること

条文の書き方は違いますが、規制の対象はほぼ共通しています。

各社が共通して挙げている要素
機械的・自動的な発信であること
一定時間内に多数、または長時間の通信であること
それが一定期間継続すること
通常の利用を著しく超えること

そして措置の重さは事業者によって違います。

措置 事業者
通話の切断 ドコモ、mineo
従量課金に切り替え 日本通信SIM、HISモバイル
契約の解除 ワイモバイル
サービス自体の停止(実例) イオンモバイル(050かけ放題)

「解約されるだけ」ではありません。業務が止まるリスクとして見積もっておく必要があります。


何がセーフで、何がアウトなのか

条文を読んでいちばん困るのは、自社の使い方がどちら側なのか判断できない点だと思います。条文の文言から整理すると、論点は**「発信の起点が人か、システムか」**に集約されます。

発信の起点 条文との関係
手で番号を押して発信 通常の利用
リスト上のボタンを押して発信(クリック発信) 人が1件ずつ選んでいる 1件ごとに人の操作がある
オートコール/プレディクティブ発信 システムが自動で一斉発信 「機械的な発信」「自動発信」に直接該当しうる
音声ガイダンスの一斉配信 システム 同上

各社の条文が名指ししているのは「ソフトウエアなどによる自動発信」「一方的な発信又は機械的な発信」です。人が1件ずつ相手を選んで発信する形と、システムが人手を介さず一斉に発信する形は、条文上の位置づけが異なります。

ただし、最終的な判断はキャリア側にあります。 「うちはクリック発信だから大丈夫」と自己判断で進めず、契約前に回線契約の窓口へ利用形態を伝えて確認してください。確認した内容は、担当者名と日付を含めて記録に残しておくことをおすすめします。

なお、1回線あたりの発信件数も判断材料になります。条文の「一定時間内に多数」がどの水準を指すかは公開されていませんが、1回線で1日数百件という規模は、個人の通常利用とは明らかに異なります。 席数に対して十分な回線数を用意するのが現実的な設計です。


選び方の手順

ここまでを踏まえた選定順です。順番が重要です。

やること 理由
1 利用形態をキャリアに伝えて確認する ここで否定されたら料金比較は無意味になります
2 完全かけ放題か、時間制限つきかを確認する 「かけ放題」の表記だけでは判別できません
3 法人契約で申し込めるオプションかを確認する 個人専用のことがあります
4 専用アプリ経由が条件かを確認する PCから発信する構成では致命的になります
5 データ容量を決める 通話中心なら最小容量で足ります
6 回線数 × 月額で年額を出す 月額の差は小さくても、10台・12ヶ月で効いてきます
7 措置の内容(切断・課金・解除)を確認する リスクの大きさが事業者ごとに違います

1を最初に置いてください。 料金表を比べてから確認すると、いちばん安い事業者が使えないと分かった時点でやり直しになります。


架電業務で使う場合に、もうひとつ必要なもの

回線のかけ放題を契約しても、それだけでは架電業務は効率化しません。携帯電話を手で操作して1件ずつかけることになるからです。

  • 番号を目で追って手で押すため、打ち間違いが発生します
  • 通話履歴が端末の中にしか残らず、社内で共有できません
  • 誰がどこまでかけたかが分からず、同じ相手に重複してかけることになります
  • 録音が残らないため、トークの改善も、言った言わないの確認もできません

この部分を担当するのが**CTI(電話とパソコンを連携させる仕組み)**です。CTIとかけ放題回線を組み合わせると、通話料は回線側で定額のまま、架電の記録と管理がシステム側に残ります。

ただし、携帯回線に対応したCTIは極めて少ないのが現状です。 多くのCTIはIP回線(050番号)を前提としており、その場合は通話料が従量課金に戻ります。詳しくは 携帯回線が使えるCTIシステムとは にまとめています。

かけMAXは、お客様がご契約中の携帯回線をそのまま使うCTIです。 回線はかけMAXには含まれません。お客様とキャリアの契約をそのまま使う形のため、上記の確認もお客様からキャリアへ行っていただく形になります。どのキャリア・どのプランでも動作します。


よくある質問

Q. 法人携帯で完全かけ放題がいちばん安いのはどこですか?

A. 2026年9月時点の公式料金では、HISモバイルの100MBプラン280円+完全かけ放題1,480円=月1,760円(税込)が最安の構成です。次いで日本通信SIMの合理的シンプル290+かけ放題で月1,890円。いずれもデータ容量は小さいため、通話中心の用途に向いた構成です。

Q. 大手キャリアと格安SIMで、かけ放題の中身は違いますか?

A. 「国内通話が時間無制限で定額」という点は同じです。違うのは月額と、対象外となる利用への措置です。ドコモ・mineoは通話の切断、日本通信SIM・HISモバイルは従量課金への切り替え、ワイモバイルは契約の解除が規定されています。

Q. かけ放題を業務の架電に使っても問題ありませんか?

A. 各社の約款に「機械的な発信」「ソフトウエアなどによる自動発信」「通常の利用を著しく超える利用」を対象外とする条項があります。該当するかどうかの判断はキャリア側にあるため、契約前に利用形態を伝えて確認してください。 確認内容は担当者名と日付を含めて記録に残すことをおすすめします。

Q. クリック発信は「機械的な発信」に当たりますか?

A. 条文が名指ししているのは「ソフトウエアなどによる自動発信」です。人が1件ずつ相手を選んでボタンを押す形と、システムが人手を介さず一斉に発信する形(オートコール・プレディクティブ発信)は条文上の位置づけが異なります。ただし最終判断はキャリア側にあるため、自己判断せず事前確認が必要です。

Q. イオンモバイルの法人かけ放題は使えますか?

A. 時間無制限の定額かけ放題は個人契約専用です。法人向けの050かけ放題は2024年7月1日で新規受付が停止されており、公式に「現時点で再開の見込みはたっておりません」と案内されています。停止の理由として不適正な利用が挙げられています。

Q. auのビジネス通話定額は社外にもかけ放題ですか?

A. 対象は社員間の通話です。社外への発信は90分を超えると課金されます。社外への架電が中心の業務では、実質的にかけ放題として機能しません。

Q. 楽天モバイルのかけ放題はCTIから使えますか?

A. 楽天モバイルの通話定額は「Rakuten Link Office」アプリからの発信が条件です。標準の電話アプリからの発信は22円/30秒の従量課金になります。PCのシステムから発信する構成でアプリを経由できるかは、契約前に必ず確認してください。

Q. 1回線で1日何件くらいまでなら問題ありませんか?

A. 各社とも具体的な件数は公開していません。条文は「一定時間内に長時間又は多数の通信」という書き方です。1回線で1日数百件という規模は個人の通常利用とは明らかに異なるため、席数に対して十分な回線数を用意する設計が現実的です。

Q. かけ放題にすると、通話料はどのくらい下がりますか?

A. 現在の通話量によります。携帯宛18円/1分の従量課金で月20万円かかっている10席の体制なら、回線10本分の月額(HISモバイル構成で17,600円)に置き換わる計算になります。通話料シミュレーターでご自身の架電量から試算できます。

Q. 社用携帯のかけ放題を契約すれば、CTIは不要ですか?

A. 通話料は定額になりますが、架電の記録・共有・録音・重複管理は手作業のままです。件数が増えるほどここが業務のボトルネックになります。費用の内訳の考え方は CTIの費用を下げる5つの方法 にまとめています。


まとめ

  • 完全かけ放題込みの最安はHISモバイルの月1,760円(税込)。大手キャリアとの差は月1,300〜1,800円、10台なら年間15万〜21万円
  • 「かけ放題」の表記でも、時間制限つき・社員間のみ・個人契約専用のことがある。イオンモバイル、BIGLOBE、LIBMO、auは要注意
  • どの事業者の約款にも「機械的な発信」「自動発信」「著しく異なる利用態様」の除外条項がある。例外はない
  • 措置の重さは事業者ごとに違う。通話の切断、従量課金への切り替え、契約の解除まで幅がある
  • 条文が名指ししているのはシステムによる自動発信。人が1件ずつ選ぶ発信とは位置づけが異なるが、判断はキャリア側にある
  • 料金を比べる前に、利用形態をキャリアに伝えて確認する。 順番を逆にするとやり直しになる
  • 楽天モバイルは専用アプリ経由が条件。PCから発信する構成では事前確認が必須

料金・条文はいずれも2026年9月時点で各社公式サイトに掲載されていた内容です。変更される場合があるため、契約前に最新の情報をご確認ください。